脳オルガノイド

Neural Organoids Application
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脳オルガノイドやスフェロイドは、3D構造のin vitro 細胞培養で、ヒトの脳の生理機能、構造、発達過程の特徴を再現します。その種類は、脳全体、或いは、皮質、大脳、脊髄などの部位特異的な表現型を持つものまで様々です。脳オルガノイドは、神経発達、疾患進行、薬剤安全性の研究に広く用いられ、動物モデルと臨床研究とのギャップを埋めるのに役立っています。​

 

脳オルガノイドアッセイ・ワークフロー

オルガノイドの形成から成熟までを2つのプラットフォームで追跡​

幹細胞の培養からオルガノイドの形成を Omni で観察し、オルガノイド内の神経ネットワークの形成と成熟を Maestro MEA でトラッキングします。

Omni ライブセルイメージングプラットフォーム​

  • 幹細胞培養を観察します。​
  • オルガノイドの形成と成熟をトラッキングします。​​

Maestro MEA プラットフォーム​​

  • 神経細胞の活動を測定します。​
  • 神経ネットワーク活動とLocal Field Potentialの変化を測定します。
Neural Organoid Assay Workflow.  Track the formation of organoids over time with the Omni imaging system and then record the functional neural activity on the Maestro MEA system.

脳オルガノイドの機能評価

神経スパイクとLocal Field Potentials の同時測定
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目的: 脳の複雑な構造やネットワーク活動の特徴を再現するオルガノイドは、表面的な神経発火に加えて、Local Field Potentials (LFPs)を発生させます。脳オルガノイドの機能評価において、神経スパイクとLocal Field Potentials (LFPs)を同時に測定することは重要です。​

 

Organoid Activity

 

脳オルガノイドの電気的な活動は Maestro MEA プラットフォームにて測定されます。また、MEA Viability モジュールを用いてオルガノイドの接着の確認ができます。​

結果: 神経スパイクはオルガノイドの周囲領域から発生する一方、LFPはその内部より発生します。LFPの測定により、神経スパイクだけでは難しい評価も可能です。​

神経ネットワークの発達と成熟の研究
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目的: 子宮内での脳の発達異常は、生涯にわたって影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、適切な in vitro モデルがないため、その研究は制限されています。本事例では、オルガノイドを用いて、ヒトの脳発達がモデル化されています。

 

Organoids
Dosing neurons with cytotoxin - activity silenced and cells have died
LFP vs. Time
Predicted Age

 

Maestro MEA プラットフォームを用いて、10か月に渡り神経オルガノイドから電気的な活動 (細胞外電位応答) を測定し、新生児のEEGと比較しました。

結果: 皮質オルガノイドの神経ネットワーク活動は連続的に発達し、初期、中期、後期それぞれのタイムポイントで複雑性が増しているのが確認されました。また、オルガノイドの成熟と発達は、早産新生児の脳の発達を模倣していることがわかりました。詳細はウェビナーをご覧ください。

神経免疫オルガノイドモデルの開発と神経ネットワーク形成の検証​
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グリア細胞は、神経疾患や神経精神疾患の発症や進行において複雑な役割を担っています。3D神経オルガノイドモデルは、これらグリア細胞が神経活動に与える影響の探索における有望なプラットフォームとなります。Popova et al, Cell Stem Cell 2021, 2021では、培養モデル間でヒト由来マイクログリアが比較されています。 Maestro Pro MEA プラットフォームを用いて、in vitro 皮質オルガノイド内に移植されたミクログリアが、同期した振動性ネットワーク活動の発生を早めることが示されました。

Neural organoid with neuroimmune

 

ネアンデルタール・ミニブレイン
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Maestro MEA システムを用いた皮質オルガノイド評価

 

ネアンデルタール人と現生人類のゲノムは非常によく似ています。遺伝的構成の違いを調べることで、現代人と絶滅した人類を分けたものについての洞察を得ることができます。本ウェビナーでは、Cleber Trujillo, PhD(StemoniX社) が、ヒト多能性幹細胞由来の脳オルガノイドに古代の変異遺伝子NOVA1を導入し、Maestro MEAシステムを用いて神経活動への影響を評価した方法を紹介します。

脳オルガノイドからの電気的活動の検出
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ヒトiPS細胞由来神経細胞から作成された脳オルガノイドをMEAプレート上に培養し、電気的な活動を測定しました。プレート底面に埋め込まれた複数の微小電極から、オルガノイドの自発的な神経活動(スパイク)が検出され、成熟に伴いより複雑なネットワークとしての活動が検出されました。ラベルフリーの測定で、長期間に渡り活動の変化を検証することも可能です。​ ​

 

Activity map displaying instantaneous firing rate of four wells with multiple cerebral organoids in each well.
Continuous voltage data recorded from four electrodes in one well. Activity is recorded from different sites on the same organoid.
Well-wide raster plot showing activity across all 16 electrodes and synchronous network bursting.

(A) 脳オルガノイドが培養された4 well から得られた発火頻度をカラーコード化したアクティビティマップ。(B) 特定 well 内の4電極から得られた生データ (細胞外電位) 。同一オルガノイド内の異なるエリアから電気的な活動が検出された。(C) Well内の16電極から得られたスパイク発生時間を示したラスタープロットでは、同期したネットワークバーストが見られた。水色は電極バースト、オレンジ色は well 内で同期したネットワークバーストを示す。データ提供 : Maestro ユーザー様

アッセイ手順: 脳オルガノイドの播種から測定まで
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Neural Organoids Protocol
脳オルガノイドの播種とデータ測定プロトコル​

本プロトコルでは、MEA上への脳オルガノイド播種からデータ測定までを解説します。

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Neural Organoids Protocol
スライス状オルガノイドの播種とデータ測定プロトコル

本プロトコルでは、オルガノイドスライスの作成方法から、MEAプレートへの播種、データ測定の手順を開設します。

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Neural Organoids

脳オルガノイド関連論文・資料​

脳オルガノイドの開発により、神経科学分野研究は急速に変わりつつあります。Axion BioSystems社のライブセル解析ツールによる、オルガノイド研究事例(論文、ウェビナー、アプリケーションノートなど)をご覧頂けます​

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